英国で結成され1972年にデビューした4人組「10cc」のメンバーは、60年代初期より音楽業界で下積み活動を行っていた苦労人達です。
この曲はバンド・メンバーの「Graham Gouldman」と「Eric Stewart」によって書き上げられた曲で、元々ボサノヴァ風の曲調だったのを、こちらもバンド・メンバーである「Kevin Godley」のアイデアによってスローな曲になったそうです。
「I’m Not In Love」はこんな経緯があってレコーディングされていくのですが、ここにも Godley の素晴らしいアイデアが採用されました。
「曲全編を声で埋め尽くしてみないか」
この一言で「I’m Not In Love」の優雅で美しいサウンドが生まれたのです。
色々と書くと自分でも分かんなくなるので、端的に説明すると、エンジニアを務めた Stewart 以外の3人の声をテープ編集して、624人分(3人×13音階×16トラック)に増幅したコーラスを曲のあちこちで使用する事で、この曲の艶やかさを演出しているんです。
技術が発展した現在の録音技術であれば宅録でも可能な作業なんだけど、この時代にこれは相当な時間と忍耐が必要だったと思いますよ。でも好きな事を一心不乱にやってるから忍耐があったかどうかは微妙ですが…
そしてもう一つ。歌詞について…
まあ、何と言ったらいいのかな。色んな解釈あるけど、これツンデレ・ソングじゃないかな(笑)。
「電話するけど、恋していないからね」
「君の写真飾ってあるけど、壁のシミ隠すためだからね」
「だから、勘違いしないでね」
男ってこういうトコあるからな~。今でも自分はそうなのかも? なんてね。この曲聴くと思ってしまいますな~(笑)。
「I’m Not In Love」は全英1位と全米2位(3週)の大ヒットとなり「10cc」の評価を世界的に高め、バンドの代表曲として知られ、様々なアーティストによってカバーされ続ける、1970年代を代表する名曲の一つとなっています。
日本でも色んなCMで使用された事で老若男女問わずお馴染みの曲。エンジンオイル、車、スープ等のCMソングとして広く知られています♪
日産 SKYLINE CM
10cc – I’m Not In Love [Mercury:1975]