「Tracey Thorn(女):ボーカル」と「Ben Watt(男)」の2人が、レーベル企画によって1982年に結成した音楽ユニットが、「Everything But The Girl(ETBTG)」。
ユニット名は直訳すると「女の子以外は何でも」という意味で、彼らが在籍していた大学の近くにあった雑貨屋の店名から命名されたらしいです。
当初アコースティックなサウンドが売りで、デビューアルバム「Eden:1984年」が、
「ポスト・パンクからネオ・アコースティック・ムーブメントへの道を切り開いた作品」
と言われる程評判が良かったのが功を奏し、元々短期活動の計画だった「ETBTG」は結構息の長い活動となりました。(活動期間:1982年-2000年)。
「EBTG」は活動を続けて行く中で、様々な音楽要素を取り入れて進化して行きます。こうなるとダンス・ミュージックと出会うのは時間の問題です。
途中「Ben Watt」が難病を患い、療養する時期もありましたが、復帰後のアルバム「Amplified Heart:1994年」でダンス・ミュージックを積極的に取り入れることで、EBTG最大のヒットとなったシングル、「Missing」が生まれました。
実は、最初オリジナルのアコースティックなバージョンでリリースされた「Missing」はヒットに至りませんでした。
そこで、House Music創世記から活動し、当時独特の太くハネたビート・ワークでクラブ・シーンに大きなインパクトを与えていたDJ、「Todd Terry」がリミックスを担当。
1995年に再リリースされた「Missing」は何と全英3位、全米2位を記録しました♪
ダンス・ミュージックに関わる人々は当時、「Michael Jackson」や「Mariah Carey」といった大物が「House Music」を取り入れる様になり(日本ではまだまだでしたが)、このキワモノとも言われた音楽ジャンルが徐々に浸透している事を実感していた時期でした。
少なくとも当時アメリカで全くと言っていい程無名な「EBTG」がここまでヒットした事により、それを確信した人は多かったんだと思います。
個人的には「Missing」の歌詞にかなりやられました。とても女々しい内容ですが…
「Step off the train」から始まり、別れた元恋人が移った住まいに行きます。しかしそこにはもう彼(彼女)はいません。それでも恋しいと唄い綴る曲なんですが、サビの部分がとても印象的です。
And I miss you
あなたが恋しい
Like the deserts miss the rain
砂漠が水を欲しがる様に…
(砂丘はあるけど)砂漠が無い日本でこの表現を書ける人は中々いないんじゃないかなと、しみじみ思いながら当時この曲を聴いていました。でもイギリスにも砂漠無いと思いますが…多分(笑)。
Everything But The Girl – Missing (Todd Terry Club Mix)