Beatles – Let It Be [Apple Records:1970]

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「Beatles」の22枚目のシングル曲で、最後のシングル盤、且つ、映画「Let It Be」のテーマ曲。この曲を含むサウンド・トラック「Let It Be」が「Beatles」のラスト・アルバム。

作詞作曲を行った「Paul McCartney」は当初からこの曲をゴスペル風に仕上げることを考え、「Billy Preston」に「ゴスペルっぽくするにはどうしたらいいかな?」と質問しながらPrestonのアイデアを基に、ゴスペル風のオルガンとコーラスを取り入れたそうです。

◆Billy Preston [1946/09/02~2006/06/06]
キーボード奏者として「Beatles」や「Rolling Stones」を始めとする多くのミュージシャンたちと共演し、ソロ・シンガーとしても活動。後に「5番目のビートルズ」と呼ばれ「Let It Be」にはオルガンで参加。

この曲は歌詞中の「Mother Mary」が聖母マリアとして解釈される事が多いんだけどMcCartneyの母「メアリー」を歌った曲です。

「Beatles」が分裂しつつあるのをMcCartneyが悲観している頃に母が言った、「あるがままを あるがままに(全てを)受け容れるのです」との囁きを元に書いたと言われています。

当時世界中の人々がずっと、永遠に「Beatles」であって欲しいと願っても、「Beatles」にとってはこの曲のタイトル通りの心境だったのかな…

この頃自分はヨチヨチ歩きでこんな事知る由もありませんが…….

そして時が経ち1981年。「Let It Be」は再び日本でヒットします。角川映画「悪霊島」のメインテーマで使用されたのです。ドーン

最後の金田一耕助映画で、作家横溝正史最後の長編小説作品でもあります。

◆悪霊島
原作発表から直ちに映像化された作品。発表の年に発生した「John Lennon」殺害のニュースを本編に折り込むという方針から、物語のキーマン・三津木五郎が、1980年の現在から本編で描かれた刑部島事件のあった10年前を回想するという形式で構成。本作完成直後に横溝正史が逝去し、弔報が逆に集客に一役買うことにもなった。参考:Wiki

この映画のキャッチフレーズは、

「鵺の鳴く夜は恐ろしい」

※鵺(ぬえ)
サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビとされる、日本で伝承される妖怪あるいは物の怪の名称。

当時この映画のCMでガンガン流れていた「Let It Be」が、先程のキャッチフレーズと共に純真な子供達のトラウマになった事は間違いないんです。自分もこの映画で「Let It Be」を知りました。

凄く良い曲なのは直感的に理解してましたが(ここがBeatlesの凄さ)、なんせホラーじみた映画宣伝が四六時中流れてるんです。トラウマは大袈裟かもしれませんが、かなり青少年には影響があったと思います。

悪霊島=Let It Be…
こんなイメージです。

で、何故、金田一とBeatlesなのか?

これは「古尾谷雅人(故人)」演じる「三津木五郎(元ヒッピー)」がJohn Lennon死亡のニュースを聞き、自分がLennonを聞いていた時代に、瀬戸内海の小島で遭遇した事件を思い出すという設定からこうなったのです。

「Let It Be」歌ってるのポールだけど…

このツッコミは内緒です(笑)。

「Let It Be」と「Get Back」がこの映画で使用されました。この2曲がサントラです。スゴイです。お金かかってます。「Beatles」の楽曲が使用されたということで大きな話題にもなりました。

しかしながらある大問題で後にリリースされたDVDが台無しになりました。

1980年代のTV放送時と東芝EMIから発売されたビデオソフトは公開当時のオリジナル版だったんだけど、後年これら楽曲の使用権が切れたためTV放映・ソフト発売がされず、2004年にようやくDVDが発売されたものの楽曲部分は別歌手によるカバー版に変更されたのです。

多くの人が嘆きます。この映画とオリジナルの「Let It Be」のこだわりを…自分もそう思います。差し替えられたカバー・バージョン(アーティスト忘れました)も悪くはないんです。でも、オリジナルがBGMとして(インストルメンタルも流れる)使用されている事が大きいんです。素晴らしいエンディングが台無しです。

自分推しの「金田一耕助」役は「石坂浩二」です。だけど「鹿賀丈史」も良かった(地元石川県出身です)!

「岩下志麻」の自慰行為も強烈だった
「岸本加世子」も初々しいけど演技は本物だった
でも「伊丹十三」は大根役者だった…

素晴らしい映画なんです。でも全てが曲の差し替えで台無しになってる…って思うのは我々オールド世代だけかもしれませんがね。

大分前(インターネッツ、DVD無し)、突然「金田一」映画を無性に観たくなり、あちこちのレンタルビデオ店を回ったんですが、一番観たかった「悪霊島」だけがどうしても見つからない…そりゃそうだ、こんな大人の事情があったんだからね…

今、書きながら「Beatles」の偉大さを再認識しました。正しく西洋文化の音楽史上最大・最高・最強のバンドだと思います。今更ですが、「Beatles」の音源を色々改めて聴いています。きっと何か新たな発見があると信じてます。もう見つけてますが…♪

※以上、敬称略

Beatles – Let It Be [Apple Records:1970]