昨年8月20日に全米レコード協会(RIAA)が発表したデータによると、Eagles デビューからの軌跡をまとめた最初のベスト盤 Their Greatest Hits 1971-1975 が、全米歴代で最も売れたアルバムに返り咲きました。
Michael Jackson が急死した2009年、Thriller が全米歴代1位だったんだけど、ストリーミング配信等が反映されての結果らしいです。
Eagles は説明不要、米国を代表する ロック・バンド でカントリーテイスト溢れるサウンドがお馴染みのレジェンド♪
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」で75位!
「ウォール・ストリート・ジャーナルの史上最も人気のある100のロックバンド」で7位!
他にも色々ありすぎて割愛させていただきますが、とにかく音楽(ポップ・ロック)史上稀に見る存在なのは間違いないのです。
因みに米国での歴代アルバム売上Top10(2018年8月20日付)は以下。
Best Selling Albums in USA.
01.Eagles – Their Greatest Hits 1971-1975
02.Michael Jackson – Thriller
03.Eagles – Hotel California
04.Billy Joel – Greatest Hits Volume I & Volume II
05.AC/DC – Back In Black
06.Garth Brooks – Double Live
07.Fleetwood Mac – Rumours
08.The Beatles – The Beatles
09.Guns N’Roses – Appetite for Destruction
09.Whitney Houston – The Bodyguard (Soundtrack)
10.Boston – Boston
全米レコード協会(The Recording Industry Association of America:RIAA)は各アルバムの数値を百万単位で公表してるので、同数値のアルバムは同位として表示されています。←9位のコトね。
改めて見るとスゴイ面子であり作品が列挙されています。
こんな猛者達の中、10位以内に2作品ランキングされてるのが Eagles ♪
偉大なバンドなのは重々承知してますが、アメリカでの Eagles 人気って本当に凄いんです。
本日の曲は米歴代アルバム売上3位にランキングされてる Hotel California のタイトル・チューン♪
イントロのギター、メロディー、後半のツインギターソロも含め作曲は Don Felder、作詞は Don Henley…Glenn Frey は作詞・作曲での貢献はほとんどないけれども、作詞のアイデアを出したということで、ソングライターにクレジットされています。
この曲に対する Eagles の力の入れ方は、半端ない並々ならぬものがありました。
しかしながら結構長い時間をかけて完成した Hotel California の出来上がりを聴いた Eagles の面々は、それまで自分達が作ってきた作品と趣が違うのを目の当たりにし、世に出すことにいささか不安を感じたそうです。
ま、そんな心配何のその。全米チャート72位で初登場した本作は10週後に同バンド4曲目の1位に登り詰めたのです♪
ではこの曲のストーリーをサラッと…
コリタス(サボテンの一種)の香りたつ、カリフォルニアは砂漠エリアのハイウェイ。
主人公は運転に疲れ、休むために立ち寄ったホテルに滞在し快適な日々を送っていた。
しかし、堕落して快楽主義的なすごし方を続ける滞在客達や自分に嫌気して、以前の日常生活に戻るためホテルを去ろうとするも離れられなくなってしまっていた…
トワイライト・ゾーン…
世にも奇妙な物語…
ちょっと伝奇な話…なのかもしれませんが、歌詞解釈でいろんな憶測・議論を呼んだことが一番のヒット要因だと自分は思ってます。
じっくり歌詞を読んでみましょう♪
On a dark desert highway,
cool wind in my hair
暗い砂漠のハイウェイ、
涼しげな風が髪をなびかせる
Warm smell of colitas,
rising up through the air
コリタスの暖かい香りが、
あたりに立ち込める
※①
colitas(コリタス)はサボテンの一種だが、マリファナの隠語でもある。
Up ahead in the distance,
I saw a shimmering light
遠くを見ると微かに揺らめく光が見えた
My head grew heavy
and my sight grew dim
頭が重くなって、目が霞んできたから
I had to stop for the night
今夜は休息が必要なんだ
There she stood in the doorway
そこは入口に女が立ってて
I heard the mission bell
礼拝の鐘の音が聴こえたよ
※②
mission bell(礼拝の鐘)は、カトリック教会で鳴らすもので、ホテルで鳴る事はない。
And I was thinking to myself
で、自分に問いかけたんだ
This could be heaven
or this could be Hell
ここは天国?
それとも地獄?
※③
mission bell でこのホテルが普通じゃない事に気付いたのでは?
Then she lit up a candle
and she showed me the way
彼女がロウソクに火を灯して、
僕を案内したんだ
There were voices
down the corridor
廊下を降りると声がして
I thought I heard them say
こんな風に聞こえたんだ
Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
(such a lovely place)
Such a lovely face
とても素敵な場所です
建物も素晴らしいですよ
Plenty of room
at the Hotel California
ホテル・カリフォルニアでは
部屋を十分ご用意して
Any time of year (any time of year)
you can find it here
いかなる時もあなたの訪れを
お待ちしております
Her mind is Tiffany twisted,
she got the Mercedes Bends
彼女の心はティファニーの様で、
メルセデス・ベンツみたいだ
※④
ティファニー、メルセデス・ベンツの美しいラインが女のボディラインの例え、且つ、Janis Joplin に影響を与えたサイケ・ポップ・バンド Tiffany Shade と Janis Joplin-Mercedes Benz にオマージュしたのでは?
She got a lot of pretty, pretty boys,
that she calls friends
彼女は沢山の素敵なボーイフレンドいて
みんな友達だって言ってるけど
How they dance in the courtyard,
sweet summer sweat
皆中庭で汗を流し、甘い夏の気をまとって
踊っている
Some dance to remember,
Some dance to forget
思い出す為に踊る人がいれば
忘れる為に踊る人もいる
So I called up the Captain,
僕は給仕長を呼んで言ったんだ
“Please bring me my wine”
「ワインを持って来て欲しい」
He said,
彼は言ったんだ
“We haven’t had that spirit here
since nineteen sixty nine”
「ここでは1969年から、その手のお酒(スピリット)は置いていないんです」
※⑤
spirit(スピリット)は蒸留酒と魂の二重の意味を含んでいます。
ワインは蒸留酒ではないけれど…
当時ウッドストック・フェスティバル等の大規模なコンサートが行われ、1969年以降、アーティストのスピリット(魂)が失われた事への暗喩では?
And still those voices are
calling from far away
遠くからその声はまだ聞こえて
Wake you up in the middle of the night
真夜中に目を覚まさせるんだ
Just to hear them say
こう聴こえるんだ
Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
Such a lovely place
(such a lovely place)
Such a lovely face
とても素敵な場所です
建物も素晴らしいですよ
They livin’ it up
at the Hotel California
皆ホテル・カリフォルニアで
楽しく過ごしていますよ
What a nice surprise
(what a nice surprise),
bring your alibis
何て素敵なサプライズ
口実を作ってでも、お越しください
Mirrors on the ceiling,
The pink champagne on ice
天井の鏡
氷の上にピンク・シャンパン
And she said,
彼女は言った
“We are all just prisoners here,
of our own device”
「私達皆ここに囚われてるのよ
ま、自分でそうしたんだけどね」
And in the master’s chambers,
They gathered for the feast
そして、支配人の部屋に
宴をするために皆が集まって
They stabbed it
with their steely knives
鋭いナイフを突き刺すけれど
But they just can’t kill the beast
誰も獣を殺すことはできない
Last thing I remember, I was
Running for the door
最後に覚えているのは
ドアに向かって走ってた事
I had to find the passage back
to the place I was before,
自分が居た所に戻る路を
見つけないと…
“Relax” said the night man,
「落ち着いてください」 警備員が言った
“We are programmed to receive.”
「私共は、ご要望は何でも受け入れる
決まりとなっています」
You can check out any time you like,
but you can never leave
しかしながら、お客様は何時でも
チェックアウト可能ですが、
もうあなたはここを離れる事は出来ません
Hotel California は実在するそうです。曲中では架空のホテルですが…
Welcome to the Hotel California
ようこそホテル・カリフォルニアへ
↑ ベタだな…逆にそれが怖い…
そう思う人達が多い余り、じゃあ「Hotel California」って一体何なの?
皆思いますよね。
ホントに刑務所?
精神病院かも…
はたまた黄泉の国なのか…
否、実は、希望・愛・平和・自由平等を失った当時のアメリカ社会へのアンチテーゼであり、「Hotel California」こそが当時のアメリカなのだ….
色んな解釈が飛び交う曲なんです。
2007年9月11日、Don Henley は Daily Mail誌(英)でこう述べています。
「幾つかのこの曲の歌詞の拡大解釈には大変驚かされ続けている。この歌詞の内容は、アメリカ文化の度を越した不品行と我々の知合いだった女の子達についてだった。しかし芸術と商業主義との危ういバランスについてでもあった。」by wiki
皆さんはどんな感じなのかな….♪
Eagles – Hotel California [Asylum Records:1977]