Yesterday の様な美しい曲を作りたい
John Lennon はこの曲のリリース後、ずっと思っていました。
Yesterday の名義は Lennon-McCartney になってますが、実は McCartney が単独で作詞作曲した曲。
それ故 Lennon は Yesterday が自分が作った曲だと思われるのにウンザリしていました。
Lennon の様な超天才でも Yesterday の様な曲を作るのにかなり苦労した様で、(Lennon が)Imagine を完成した時の喜びようはとても大きかったそうです。
ジャーナリストで Lennon の友人だった Howard Smith に Lennon が Imagine を披露した後、こんな会話が交わされたと Smith は語っています。
(Lennon に)「どう思う」て訊かれたから「美しい曲だ」って答えたんだ。
そしたら「Yesterday 位良いい?」って訊くから
「そんなの比べられないよ」って答えたよ。
返答後、彼はもう一回プレイしてくれたんだ。で、更にもう1回プレイした後(Lennon は)こう言ったんだ…
「わかるはずだよ。Yesterday と同じ位良いって」
両曲とも素晴らしく、且つ、美しい曲である事は疑いありません。しかしながら内容はかなり違っています。
Yesterday は McCartney が14歳の時に乳癌で亡くなった母への想いを歌った曲。
Imagine は人類愛や平和を願う曲として作られましたが、共産主義的思想という批判や、反戦歌として認識され、その時の時代背景で放送禁止になったこともある曲。
どちらも愛を歌った曲なんですけどね…
本日の曲は知っての通り、Imagine… と呼びかけて始まります。
このアイデアについて Lennonは、Yoko Ono の詩集「グレープフルーツ」から拝借したと語っています。
この詩集の中に「ツナフィッシュ・ピース・サンドウィッチ」という詩があり、
「想像して。千の太陽が一度にのぼるところを…」
の一節を Lennon がとても気に入り使用したと言われています。
この様な経緯があり今でも世界中で愛され続けている Imagine ですが、今年でリリースされ46年が経ちました。
随分経ったなと思ってたら、全米音楽出版社協会が、Yoko Ono を Imagine 共作者として名を連ねる事になったと突然の発表。
良かったと言うべきか…
今更ですか?と思うのか…
まあ、色んな事情があるんでしょうね。
John Lennon – Imagine [Apple Records:1971]