Mike Posner – I Took A Pill In Ibiza [Island Records:2015]

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先ずは「Mike Posner」について…

2010年4月にシングル、「Cooler Than Me」でデビュー。米年間19位、英年間33位を記録し、世界の注目を浴びます。

その翌月に2ndシングル、「Please Don’t Go」のヒットや、1stアルバム「31 Minutes to Takeoff」が成功しアーティストとしての地位を確立しました。

しかしここから暫くヒット曲に恵まれませんでしたが、「Justin Bieber」、「Maroon 5」等に曲を提供しソングライターとしてその才能を発揮します。そして2015年6月に久々のEP、「The Truth」をリリース。このEPからのリードシングルが、「I Took A Pill In Ibiza」です。

最初聴く前にタイトル見て、これでリリース出来るんだ、懐深いな~ってちょっと驚きました。タイトルを直訳すると、

「私はイビザで錠剤を摂取しました。」

「Pill:ピル」と言うと日本では生理痛や生理不順等の治療に使用される薬を指すのが一般的だと思います(多分)。しかしながら欧米では「Pill」と言えば一般的な錠剤全てを意味するのですが、この曲の場合は世界屈指のリゾート地であり、クラブの聖地とまで言われているイビザ島での錠剤摂取なので、まず殆どの人は違法薬物の事だなと思うわけです。

 

実際歌いだしは下記の通り。

 

I took a pill in Ibiza.
イビザで1個やってみた。

To show Avicii I was cool.
Avicii(有名DJ)に良い所見せたくてね

And when I finally got sober,
felt 10 years older.
シラフに戻ったら
10年歳取った気分だったけど

But fuck it, it was something to do.
でもそれがどうした、やるしかなかったのさ。

でもこれは決して薬物賛美の曲では無く、成功した人間の孤独さや虚しさを歌った曲。Pillを食ったがために、一時的に我を忘れて良い気持ちになったんだけど、終わった後にくる現実の自分に改めて気付く…。

※実際に本人がイビザでの摂取にインスパイアされた曲だそうです。

この曲オリジナルはアコースティックなギター・ベースのしっとりとした曲。PVもかなりシンプルな造りでいい感じなんだけど、リリース当時はあまり注目を集めませんでした。

先ずはオリジナルを聴いて下さい。ジワジワと染みてきます。

Mike Posner – I Took A Pill In Ibiza (Original)

この曲が世界的にヒットした要因は、ノルウェーのDJユニット「SeeB」によるRemixのおかげです。今はやりの「Tropical House」風にリミックスされた本作は、ノルウェーを中心としたスカンディナビア半島全域で大ヒット。

その後2016年4月には全英4週連続の1位、全米5位と世界中で大ヒット。自身最大のヒット作であったデビュー曲を上回る売上を記録しました。

でもこれはPVの影響がかなり大きいと思うね。「SeeB」ver.のPVは、クラブが舞台。(冒頭で)Pill食って、良い気分になって、トイレでS○Xして、ゲロはいて、喧嘩して…クラブであり得る事を映像化して若者を中心に指示されたのでしょうね。

色んな意味が込められたPVです。笑えるとこもあるんだけど、その中に秘められたメッセージを感じると思います。オリジナルのPVよりもこちらの方が、印象的です。

因みにイビザ当局(スペイン)としては、この曲についてよい印象を持っていないとの事です。まあ、当然の反応だと思います。

 

ではまた~♪

Mike Posner – I Took A Pill In Ibiza (Seeb Remix)